← Older Than It Looks Walking Tour
Arlington Theatre
様式を、音量いっぱいに。通りにはミッションの塔、中には空を描いたスペインの村。
Key facts
- 一九三一年五月二十二日、Fox Arlington として開業。一九二五年の地震で失われたホテルの跡地に建ちました
- 地元の設計事務所 Edwards & Plunkett による、ミッション/スパニッシュ・コロニアル・リバイバル様式
- 描かれた夜空の下の、屋根のないスペインの村のように造られた「アトモスフェリック(雰囲気)」の客席
- 客席は約二千十席。Santa Barbara International Film Festival(サンタバーバラ国際映画祭)の中心的な会場です
- 一九二五年六月二十九日の地震(マグニチュード約六点三)が、市の義務づけたスペイン・コロニアル様式での建て直しを引き起こしました
Narration transcript
通りの向かいに建っている建物を、ちょっと見上げてみてください。白い鐘楼、赤い瓦の屋根のライン、入り口の上の深いアーチ。これが Arlington Theatre(アーリントン・シアター)です。ツアーのスタートにぴったりの場所なんですよ。というのも、まだ一区画も歩かないうちに、この建物が downtown Santa Barbara(サンタバーバラ)の大きな秘密を教えてくれるからなんです。
その秘密というのが、これです。あなたが見に来た「古いスペインの町」は、その大部分が、実はおじいさんおばあさんより若いんです。一九二五年六月二十九日の朝、マグニチュード六点五くらいの地震が、ダウンタウンのほとんどを倒してしまいました。それで市は、ただ建て直すのではなく、当時としてはほとんど前例のない決断をしたんです。町全体を、たった一つの見た目でよみがえらせよう、と。スパニッシュ・コロニアル・リバイバル、スペイン植民地復興様式です。白い壁、赤い屋根、鉄の手すりのバルコニー。どこもかしこも、わざとそうしてあるんです。何百年も昔からあるように感じるこの町並みは、実は一九二〇年代の終わりに、急いで造られたテーマの町なんですね。
Arlington は、その発想をとことんまで突き詰めた建物です。一九三一年、地震で失われたホテルのがれきの上に開業しました。当時「アトモスフェリック」、雰囲気劇場と呼ばれたタイプの劇場です。中に入って公演を見ると、ただの部屋にいる気がしないんですよ。夕暮れどきの、作りもののスペインの村に立っているような感じなんです。まわりには家々の正面やバルコニーが並んでいて、天井は深い夕方の空みたいに塗られていて、頭の上では星がまたたいています。町ひとつを丸ごと造って、屋根の下に入れてしまったんですね。考えてみると、なかなか面白いでしょう。今のあなたも、作りものの町に立っているわけですから。ただし、こっちは屋根のない外ですけどね。
歩きながら、これを覚えておいてください。この先に出てくるものは、ほとんどぜんぶ「選ばれた」ものなんです。それでは、劇場を正面に見て右手に、State Street(ステート・ストリート)を下っていきましょう。一区画ほど行くと、ほかの何より高くそびえる、背の高い淡い色の塔が見えてきますよ。あれが Granada です。