Jingūbashi (the bridge)
世界が原宿を見つめたあの橋から。これから、原宿が本当に作られた場所へ向かいます。
おもなポイント
- 神宮橋は原宿駅のすぐそばにある橋で、JR山手線をまたいで駅と明治神宮の入口をつないでいます。
- 一九九〇年代後半から二〇〇〇年代にかけて、日曜にここへ集まったコスプレイヤーや「原宿ガールズ」の姿が、世界の知る日本のストリートファッションのイメージになりました。
- この一帯を若者の舞台に変えた日曜の「歩行者天国」は一九七七年から一九九八年まで続きましたが、橋の光景はそれよりも長く生き残りました。
ナレーションの書き起こし
まずはこの橋から始めましょう。あなたが今立っているのが神宮橋。原宿駅のすぐ横で線路をまたぎ、明治神宮の深い森の鳥居へと人々を運ぶ、あの大きな橋です。少し立ち止まって、まわりを見てみてください。この何気ない橋こそ、世界が初めて原宿と出会った場所なんです。
一九九〇年代の後半から二〇〇〇年代にかけて、何年ものあいだ、この橋は一つの舞台でした。毎週日曜になると、驚くような手作りの衣装に身を包んだ若者たち――ゴシック、フリル、マンガのよう、とにかく鮮やか――で埋め尽くされ、その姿を撮ろうとカメラマンたちが集まりました。パリからニューヨークまで、雑誌を飾った写真。世界に「ハラジュク・ストリートファッション」という言葉を教えた写真。その多くが、まさにここ、この橋の上で撮られたのです。
でも、ここで一つ気づいてほしいことがあります。橋というのは、見られる場所なんです。カメラが来て、人が集まり、原宿は世界が外から眺めるものになりました。それがこの物語の「表」――見世物であり、ポーズであり、写真です。
そしてカメラが決して映さなかったのが、そのすべてが実際に生み出された場所でした。服も、アイデアも、集まる人々を満たした食べものも――それらはあなたの背中側の路地、ほとんど誰も足を踏み入れない、この街の静かな「裏」で生まれたのです。
ですから、ここで日曜の人混みが決してしなかった、たった一つのことをしましょう。くるりと振り返って、裏へと歩いていくんです。橋を離れ、北へ少し進んでください。東京でいちばん有名な商店街の入口――竹下通りの入口へ向かいます。